2019年6月28日刊。
ドアはすぐに閉められてしまい、田力は結局大神の顔を見ることはできなかった。大神は、田力の帰宅が遅くなったのを心配して探しに行こうとしたらしい。田力の顔を知らないのにどうやって探すつもりだったのかはわからないが、大神の祖父が死に、一人ぼっちになってしまったことは、彼女のトラウマと大きく関係していそうだ。
田力が事故に遭ったのは、同級生の因幡美月を助けようとして身代わりになったためだった。美月は田力を探してお礼を言い、友だちになろうと提案する（これは一巻）。その後、田力が困った人を放っておけない性分なこと、何にでも一所懸命なことに惹かれ、田力を好きな自分を自覚する。田力も美月に好意を持っており、何かと相談するが、その相談内容が大神のことばかりなので、美月は残念な気持ちと同時に、田力の力になりたいとも思い、悩む。
ある時（友人にそそのかされて）田力の部屋を訪れた美月は、田力と大神が「会ったことがないけれど親しい」事情を理解する。そして大神に好感を持ち、親しくなる（女心に自覚のない田力は、この複雑な状況を理解していない）。美月に励まされ、田力はついに大神に告白するが……
大神と美月が親しくなっていく過程が興味深い。また、美月が田力を好きなことを大神ですら即座に見抜いたのに、田力がわかっていないのもオカシイ。
大神の下の名前が判明。陽奈子だ。
