鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「戦国小町苦労譚」2

  • 原作・夾竹桃、平沢下戸、作画・沢田一「戦国小町苦労譚 農耕戯画」2(アース・スターコミックス)

2018年4月12日刊。「デジタル版コミックアース☆スター」2017年10月~2018年2月掲載。原作はライトノベル

静子には褒章として屋敷のほか、彩という小間使いが与えられた。小間使いとは、身分の高い人間の傍らに仕えて雑用する女性のこと。男性は小姓。だそうだ。彩は静子に仕えるだけでなく、信長(あるいは森可成)のスパイのようだ。身元不確かで群を抜いた技術を持つ静子を警戒するのはまあ当然だ。

信長は、静子に与えた痩せた土地で米25俵を収穫するよう指示を出す。これまで大豊作の時でもその半分もいかなかった。が、静子はそこからなんと400俵を収穫してしまった! いくら現代の技術でも40倍も収穫できるものか? まあ、前年の野菜作りで村人が静子の言うことを疑わず、よく聞くようになった(協力的になった)ことも大きいのだろう。肉や野菜を食べて、確実に豊かになっているわけだし。

1巻で飼いならした狼は一時姿を消していたが、嫁を連れて戻って来た。夫婦で静子の言うことをよく聞く。ヴィットマンという名だそうだ。1巻に出て来たかな。

静子が鹿を狩るために作成したクロスボーに信長は目を付ける。その威力を目の当たりにした信長は、次の戦に備えて類似品を30個作らせるのだった。農業だけでなく、軍事や政治面でもとことん静子の力を利用する腹だ。

信長が静子に褒美を取らせようと、望みの物を言えと言っても静子は断わる。謙虚さの表われでもあろうし、この時代のものでほしいものが特にないということもあろうが、静子に取って、土地や人手を与えられて、思い切り自分のやりたいように農業ができること(その結果が人の役に立つこと)が、何よりの褒美だというのが面白い。



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