鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「衆議院議員日本一(ひのもとはじめ)」

2024年1月11日刊。「ミステリーボニータ」(秋田書店)2017年1月号~12月号掲載。

2024年3月4日刊。「ミステリーボニータ」(秋田書店)2015年1月号~12月号掲載。

日本一(ひのもと・はじめ)という霜山県から選出されたオタクな議員(無所属)が主人公。怠惰だが、突拍子もないことをやらかし、最後は自分で自分の首を絞めて終わるパターンがスタンダード。主なツッコミ役は平和望(へいわ・のぞみ)、日本革新党議員と、大東亜強栄(だいとうあ・きょうえい)、愛国党議員。一話完結の連作短編。ドタバタギャグ。

15年も連載を続けたのに単行本化されないため、自費出版に踏み切ったらしい。版下の図版は出版社が版権を持っているため、タイトルロゴは作り直し、セリフは全部写植を打ち直したという。膨大な手間である。その手間を超えて出版に踏み切ってくれた作者には感謝したい。

それにしても、出版社が権利を押さえているくせに本を出さないというのは、弱い者いじめではないか。紙の本を出すのが難しいのはわかるが、電子書籍なら出せるだろうと思うが。