鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「木暮姉弟のとむらい喫茶」3(完結)(新刊)

  • うおやま「木暮姉弟とむらい喫茶」3(新潮社バンチコミックス)

2025年5月9日刊。「くらげバンチ」2024年9月~2025年1月掲載。

「人間がちょい苦手な」テルに、サングラスをかけることを薦めたのはたっちゃんこと生塩達朗(第一話に登場)だった!

18歳まで養護施設で過ごしたテルは、その後喫茶「こかげ」を開店した千景に引き取られ、一緒に暮らすようになった。

最終話、意識不明になってICUに入院した千景を見舞うテルに対し、病院が「ICUの面会は肉親のみとなっておりますので」と面会を断わるシーンがつらかった。千景にとってテルは肉親と同じだと私たちは知っているけれど、それを証明する手段はないし、病院もそこまで事情を斟酌してはいられないだろう。親がいれば養子縁組といった方法も考えられるが、当人たちだけの場合は、どういう方法が取れるのだろうか?

快癒し退院して来た千景の手料理を、ついにテルは食べられるようになる。彼の穴も徐々にふさがって来たのだ。

長く続けることもできようが、全3巻という尺でまとめたことも好印象だ。