鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「平和の国の島崎へ」4

  • 原作・濱田轟天、漫画・瀬下猛「平和の国の島崎へ」4(モーニングコミックス)

2023年11月22日刊。

迫りくるLELの刺客vs島崎。待ち伏せされたことを知った島崎は、いったんは退却するが、アルバイト先の店に迷惑がかかることを怖れ、指定の場所に向かう。LELのメンバーが大勢で待ち構えていることを悟った島崎は、LELが本気で自分を殺そうとしていると知り、逃げ出すことも考えた。潜伏先で新たな人生をやり直す……が、それは、やっと築きつつある現在の人間関係をすべて断ち切ることである。

一転して反撃。これまで自分を襲って来た相手に対しても極力殺さず、可能なら傷つけずをモットーにしてきた島崎だが、今回は容赦なく殺しまくる。手加減して勝てる相手ではないことをよく知っているからだろうが……25人を殺したところでLELの指令が変わる。これ以上の攻撃は損害が大きくなり過ぎるから中止、と。島崎はこれを狙っていたのだ。

第一把にも登場した刺客は、中止命令が出てもなお島崎を追う。島崎を見つけると「殺しの指示は解除された」と言って近づき、自分自身と一緒に島崎も吹っ飛ばそうとしたが、見抜いた島崎に「処理」される……。最後の手段として自爆テロを狙ったのだ(失敗したが)。自爆テロは、自らの戦闘員にも犠牲を強いる、最悪のテロだ。LELが「人道的」だなどとはとんでもないまやかしなのだ。

後半は草野球をやるほのぼの回と、喫茶店の長男(高志)の後輩(楠本)が強盗を働く直前で救い出す話。あれだけの事件を起こして家族に迷惑をかけ、自らも大けがをした高志が、依然として「俺には見る目がある」などと言い、店でも偉そうにしているのは、腹立たしさを通り越して滑稽だが、楠本のことを「あいつは俺を見習ったから持ち崩したんだ」と自嘲気味に呟くと、島崎が「高志さんを見習ったから(更生する)チャンスを逃さなかった」と答えたのはジーンときた。

2巻発売後三ヵ月で3巻が発売されているので、そろそろ4巻が発売されてもいい頃だが、まだだろうか? 早く続きが読みたい。



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