鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?」1

  • 原作・下城米雪、漫画・伊於「え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?」1(主婦と生活社

2023年5月2日刊。ちょいちょい広告が入って気になっていた作品。

佐藤愛は入った会社がブラック企業。ある時、意を決して業務の自動化を押し進め、ついに全業務自動システム「オルラビシステム」を構築。その運営管理にあたっていた。が、社長が交代し、全自動システムに管理は不要という理由で解雇されることに。佐藤愛は日々社内でコスプレをしており、部内ではそれが通っていたが、社長が知って、あんなふざけた格好をした社員はいらないと考えたのが直接の理由。

愛の能力と頑張り具合は同じ部署の人間はみな知っていて、愛が辞めさせられるならと、次々に上司も同僚も辞めていく……

愛が抜けた後の会社がどれだけ困り、社長が慌てることになるのかを描いた作品かと思ったが、そこはほとんど触れられず、愛が幼なじみが起業した会社に入って活躍するさまが描かれたのは意外。が、抑圧されていた人が、自分のやりたいことができる場にステージを移す方が、望ましい解決だ。もっとも給料は相応に上がったわけではないらしい。

ただし顧客の本間百合が、プログラミングのスキルを身につけてセクハラ&パワハラの会社を辞め、転職先で活躍し、元の会社の上司が島流しに遭う話はちょっとスッキリしたか。

力仕事とか、単純な事務作業などは、他人の二割、三割効率を上げることはできるけど、二倍、三倍働くのは無理。が、エンジニアリングは他人の10倍、20倍の効率を上げることがあり得るのだ。優秀な人が一人でやっていたことを、凡人が10人で分担してもやりきれないのはよくある風景。日本では、だからといって他人の二倍、三倍の給与を出すのは難しいけれど、優秀なエンジニアには相応の待遇をしなければいけないのだ。しかし「偉い人にはそれがわからんのですよ」。



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