鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「雑兵めし物語」1(新刊)

  • 重野なおき「雑兵めし物語」1(バンブーコミックス)

2022年7月29日刊。大名でも、武士でもない、作兵衛という「雑兵」を主人公とした珍しい物語。戦国時代の世の中、重野なおきの他の著作は大名や武士の立場で世の中を見ているが、雑兵の立場から見ると景色はがらりと変わる。

架空の人物が主人公の作品は、重野なおきの歴史ものとしては初めてなのでは? と思ったが、代表作の「信長の忍び」は架空の人物・千鳥が主人公だった。「信長の忍び」は、千鳥と助蔵以外は全員実在の人物だが、本作では、主人公の周囲の人物、作蔵が世話をするつる、仲間の豆助、豆助を慕う百姓娘の小菊をはじめ、ほぼ架空の人物だけで物語が成り立っている点が、珍しい。もっとも、武田の馬場信春など、懐かしい面々(他の作品に登場済のキャラ)も一部に登場するが。

ネタ元は江戸時代の兵法書「雑兵物語」らしい。

重野なおきがこんな作品を描いていたとは知らなかった。twitterで懇意にしている人から教えていただき、さっそく買い求めた次第。感謝。



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