2023年11月29日刊。WEBコミック誌「コミックライドアドバンス」2022年7月号~2023年9月号掲載。
白石星里奈は秋月靖彦が女性に乱暴狼藉を働いたと勘違いし、剣で斬りつけるが、もちろんそれは間違いで、秋月は襲われていた女性を助けたところだった。
星里奈が誤解から秋月に暴力を振るうのはこれが三度目。一度目は動転していたから、二度目は状況的に致し方ない部分もあるとはいえ、相手の言い分に耳を貸さず一方的に暴力を振るうのはとても勇者の振る舞いではない。まして今回は三度目なのだ。軽症で済んだとはいえ秋月もケガを負わされているわけで、腹を立てるのは当然である。
だからといって、身体で償えというのはやり過ぎだ。なんで星里奈がこのような誤解をしたかといえば、秋月を「性犯罪を今にもおかしそうなキモイおっさん」だと思い込んでいたからで、それの良し悪しは別として、そのような相手と行為をさせられるというのがいかに屈辱的なことであるか。だからこそ罰になる、とも言えるが、それならいっそのこと命を以て贖うことにさせた方がましだ。それでは秋月の側にメリットがないと言われれば、それまでだが。
また、スカトロスキル発動のシーンは、ギャグとしても少々お寒い。さらりと触れる程度ならともかく、こんなにページを割く話かと思う。
タイトルの「無双」が「女性に対して」という意味ならそろそろタイトル回収されてきた感があるが、戦闘に関しては「まだまだ」。秋月のパーティで最も戦闘力があるのは剣術指南の道場主の娘であるイオーネで、序盤の盗賊相手の立ち回りはカッコよかったが、一瞬で終わってしまったのは残念だった。そういうところをもう少し描いてほしいものだ。