単行本は2001年12月1日刊。文庫本は2005年3月1日刊。「なつこ、孤島に囚われ。」に続く森奈津子シリーズ第一作。第三作は「キス」。
ミステリーであり、SFであり、エロ要素も(かなり)ある、コメディでもある。ジェンダー小説として読めなくもない(実際、2002年のセンス・オブ・ジェンダー賞の特別賞を受賞している)。
SFというならバカSFだろう。ミステリーとしてはいただけない。犯人の登場が遅く、動機も納得できず、フェアではないと感じるから。
結局、森奈津子というキャラクターの好奇心や行動力によって物語が動いて行くという意味で、ヒロイック・ファンタジーと受け取るのがいいのではないだろうか。倉阪鬼一郎、野間美由紀といった実在の人物のキャラクターの行動も楽しめる。

