鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「夫婦漫才」

連作短編集。230ページ以上ある、こちらは普通の本。

第一話は雑誌(漫画アクション1982年9月30日号)に掲載された時に見ていて、面白いなと思って切り抜き、いまだに手元に持っている。単行本を買ったら捨てるつもりだったが、どの単行本に収録されているかわからないまま40年が経ってしまったというわけだ。これでようやく捨てられる。

というか、読み切り短編だと思っていたのだが、連載になっているとは思わなかった。掲載誌が変わったため気づかなかったのだろう(第二話以降は「スーパーアクション」にて1983年6月号より連載。当初は読み切り短編だったが、のちに連載の運びになったということだろう)。

夫婦漫才とあるが、登場人物は誠、尚子、誠の母の三人で、主役は誠の母だ。性格が悪く、尚子はよく(瞬間的に怒ったりはするものの)文句も言わずに付き合っているなあと思うが、似ているところがあるのか、実はこの二人は割と仲がいい。エネルギーが他人に剥く時は結構息の合ったところを見せてくれる。

まあ特筆大書するほどのものではないが、それなりに面白い。

ところで、途中の「老筋トレーニング」の話は、ギャグの呼吸が江口寿史そっくりで驚いた。山上たつひこ節とは明らかに異なるもので、原作・江口寿史、作画・山上たつひこのコラボでもやったのかと思ったほど。でも別にそういうコラボはなく、原作として誰かがクレジットされているわけでもなかった。たまにはいつもとガラっと違うタイプのギャグをやってみようと思ったのだろうか。次の話からはまたいつものパターンに戻っている。


漫画・コミックランキング