- 永田礼路「お前の寝言がわからない」（ナンバーナイン）
2022年9月26日刊。
理系男と文系女が一緒に暮らすことになったが、物の考え方や価値観が互いにずれまくっているため、調整に苦労する……点に焦点を当てたギャグ漫画。
しかし、これは、文香と真理雄（特に真理雄）が少し変わっているというだけで、別に文系脳や理系脳の典型などではない。
理系の人は本人は到って真面目なのだが、周囲の人から見るとこんなに変、という視点の漫画やエッセイは、昔からあったような気がするが、それをひとつのジャンルに昇華したのは、よしたにの「理系の人々」だろう。あれは理系というよりプログラマ（あるいはSE）だとは思うが、ある種の人の特徴をよく描いていたと思う。
本作の真理雄は理系の典型ではないし、常識や社会性が欠けていることを笑えるかというと、それも難しい。
しかし、そのことを措いておき、不可抗力からルームシェアをすることになった文香と真理雄が、互いに何を考えているのかわからないが、それを少しでもわかるように努力し合い、その努力する姿勢に惹かれていく……というのはとてもよかった。冒頭の文系理系の話がなければ、とてもよいラブコメの佳作だ。
本作の第一話・二話はモーニングに掲載されたという（2018年11号）。モーニングは毎週購入しているが覚えがない。慌ててバックナンバーをひっくり返してみたが、保存してあるのは2018年25号からだった。残念。
