鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ピアノの森」15巻

ちょっと書店へ行きそびれて、入手が遅くなった。

普通の版も平積みになっていたが、CDつきの限定版が置いてあった。このCDはショパンコンクールの一次予選でカイが弾いた曲がすべて収録されているという。演奏はウラディーミル・アシュケナージというので迷わずCD付きを購入。

漫画は、モーニング連載のものも無論読んでいるけれど、どうもショパコンが始まってからは展開が間延びしているのと、そうでなくても隔週連載なのに休載が多いため、なかなか話が進まずイライラしていた。が、こうして単行本にまとまったものを一冊分読むと違った感動がある。

「お前はお前のピアノを弾け」と阿字野に送り出されて舞台に立ったカイが、まさに「森のピアノ」を弾く場面は震えた。

今回のハイライトは、カイの「小犬のワルツ」を聴いて雨宮君がつぶやく場面。

「僕はまだ……カイくんに勝てないのかも知れない。何故だ!? どれだけ努力すればいいと言うんだ!? これ以上……何を犠牲にすればいいというんだ!!?」

努力してきた雨宮君だからこそ言えるセリフ。僕は「この人にはかなわない」と思ったことは幾度もあれど、「これ以上何を犠牲にすればいいというんだ?」なんて言えないもの。

(別ブログより転載/original : 2008-05-27)