鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「川底幻燈」5(未完?)

  • 宵町めめ「川底幻燈」5 夜に淀むもの

ほとりを呼び出したのは正志だった。一緒に幻燈市に行こうと誘う。一瞬喜ぶほとりだが、あまりに自分に都合の良過ぎる展開に、この正志は自分の妄想が肥大化して生み出した幻だということを悟る。

この幻は川底では「赤」と呼ばれ、宿主が認識している間はよいが、その存在を否定されると極めて危険な存在になる。正志の「赤」はそれに気づいた小三郎と醒井によって存在を消される。

小三郎は兄の沙二を憎む気持ちがあり、それが心の中で幻を育ててしまっていた。しかしそのことを自分で理解しており、実体化した時に「殴って」撃退した。

最後は長男の雨太郎登場。兄弟の中で一番穏やかな性格に見受けられるが、既にそれなりの年齢に達しているならば当然か。

全41ページ、うち表紙と扉で3ページ、3巻までのあらすじ1ページ、人物相関図1ページ、4巻のあらすじ&目次1ページ、5巻の登場人物紹介1ページ、解説1ページ。つまり本編は33ページ。

2018年9月14日刊。ストーリーとしては完結しておらず、むしろ壮大な物語の序章といった趣すらあるが、今のところこれが最終巻で、続きが発表された様子はない。本作はこのまま未完で終わるのかも知れない。アマチュア時代の習作とあれば、致し方ないところだろう。



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