鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「きみの秘密は私のもの 私の秘密は私のもの」

紙版は2019年5月12日刊、kindle版は2020年12月12日刊。GLコミックスを立て続けに読んでいた時にamazonからお薦めされた。いいものに出会えた。約100ページ。薄くはなく、読みごたえがある。

登場人物は山城響子(28歳、主任)と木津香(24歳、新卒二年目)の二人。木津は山城に片思いをしていて、ある時山城の秘密を知ってしまい、秘密を守ることを条件に自分と付き合うよう要求する。実は山城も木津のことが好きだったが、女どうしだし、同じ職場だし、というわけで言えずにいた。だから、木津に脅された格好で(実は喜んで)付き合い始める……というもの。

木津は山城のことをよく見ており、隠し事はできないが、山城は、木津がなぜ自分のことをここまで詳しく知っているのか不思議に感じている。ストーキング行為を続けていることは木津の秘密である、というのがタイトルの意味。

山城は年上で職場では上司だが、可愛いものが好きで、本人も可愛く、押しに弱いところがあり、M体質の傾向がある。木津はその反対の性格。というわけで二人の関係は終始、木津が主導権を握っているが、山城にメロメロなのは木津の方なので、木津が振り回されている、とも見える。二人とも、性格の振れ幅が大きく、ギャップ萌えである。

この二人、関係を持つようになったのはいつか、気になっている。初日は下着姿で身体に触れたところでやめたようなので、その日ではない。翌日、夜泊まりに行きます、と木津が言ったから、いよいよかと思ったが、その数日後と思われる温泉での遭遇や、その後の動物園デートでの初々しい様子を見る限りでは、まだそういう関係にはなっていないように思われる。木津の「泊りに行きます」は山城を困らせるために言っただけで、本気ではなかったか。

知らない作家だったが、たくさん作品を描いているようなので、もっといろいろ読んでみたい。



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