鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「グリムのむかしばなし」(全2巻)

  • ワンダ・ガアグ編・絵、松岡享子訳「グリムのむかしばなし」I、II(のら書店)

Iは2017年7月5日、IIは2017年11月10日刊。

Iには「ヘンゼルとグレーテル」「ねことねずみがいっしょにくらせば」「かえるの王子」「なまくらハインツ」「やせのリーゼル」「シンデレラ」「六人の家来」の七編、IIには「ブレーメンの音楽隊」「ラプンツェル」「三人兄弟」「つむと杼と縫い針」「なんでもわかる医者先生」「雪白とバラ紅」「かしこいエルシー」「竜とそのおばあさん」「漁師とおかみさん」の九編が収められている。

最近はグリム童話と言わないで昔話と言うのか、と思ったが、どうもそういうレベルの話ではないらしい。あとがきでワンダ・ガアグがこの本にかけた思いを切々と語っているが、ほとんど何を言っているかわからなかった。とにかく、グリムの出した版が気に入らず、グリムの収集した昔話を再度調べ直し、再構成したということらしい。何がしたかったのかはわからない。

Iに所収の話はよく知られた話ばかりだが、IIに収められた話はどれも知らないものばかりだった。「ブレーメンの音楽隊」はタイトルだけは知っていたが、こんな話だとは思わなかった。なかなか意外性もあって、面白い話が多かった。

なお訳者の松岡享子氏は昨年亡くなられていた。そしてなんと、本書の翻訳は82歳の時に行なわれた由。びっくり。



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