ヤングサンデーが廃刊になってから消息を聞かなくなり、気づいたら2巻が出ていた。帯コピーも一応「まさかのあだち充氏と同じ雑誌での連載開始! 抗争勃発必至!?」とあるが、小さく、大きな文字で載っているのは「2009・5・12新創刊の月刊少年誌ゲッサン(月刊少年サンデー)にて新章連載開始!!」である。この単行本の宣伝というより創刊した雑誌の宣伝色の方が強い(本単行本の発売日は5月16日付、実際に店頭に並んだのは4月だったと思われる)。
内容は1巻同様で、すべってはハーロックを気取って自らを慰める場面は笑えるし、漫画やアニメの解説(特に新009のオープニング)はうならされる。が、基本的に大学生のうだうだを理屈っぽく描いているに過ぎない。どんなにカッコつけて描いても、しょせん学生のうだうだなわけで、とはいえそれまはた必要な時間でもあるわけで、そのあたりはむしろ年齢が過ぎてから共感できる部分であろうか。
「若者は真剣に無駄な日々を費やしていく」という言葉が泣ける。