- 安藤たかゆき「こんなレベルの低い将棋見たことがない!」2(イースト・プレス)
2019年10月10日刊。
冒頭で女流棋士が登場。仲間内だけでやりあっていた話がぐっと広がった。むろん平手で指すはずがなく、極端に駒落ちしての対局ではあるが、駒落ちした相手と戦う将棋漫画というのも珍しく、興味深く読んだ。
前巻に比べ、作者がぐっと強くなったことを実感する。なぜなら、私が話についていけなくなってきたからだ。
前回の記事で「漫画に出て来る棋譜ってだいたいきちーんと駒が整っているのだが(その方が描きやすいんでしょうね)、本作では駒が盤の上で踊っている。実際に将棋を指すとこうなるので、リアル」と書いたが、これは、盤を写真に撮り、それを起こしていたのではと愚考。本巻では途中から、仲間内では主にアプリの「ぴよ将棋」を使うようになり、その画像をそのまま貼るようになった。うーん、これが将棋の入門書なら、それもアリかも知れないが、漫画としてはどうなんだろうか。生意気を言うようだが、作品に溶け込んでいるようには見えない。個人的にはちょっと残念。
将棋会館でやたらと長考する人が面白かった。本当に長考しているのか、作戦なのか、嫌がらせなのかはわからないが、一手指すのに毎回30分も40分もかけられたら閉口するだろう。