鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ひらけ駒!」6

  • 南Q太「ひらけ駒!」6(モーニングコミックス)

ひらけ駒! 6巻

ひらけ駒! 6巻

本巻では女性が主役である。

水嶋プロが教室を辞めることになり、その紹介で宝ママは女流棋士の壇レイ子二段(LPSA日本女子プロ将棋協会)に教わることになった。レイ子は子弟ではなく友達のような関係でいたいと、カフェを借り切ってサロンのようなものを開催する。誘われて何の気なしに参加した宝ママは、そこに女の戦いがあることを知る……

壇レイ子のほか、日本将棋連盟所属の女流棋士として片桐竜子二段、鶴田奈々初段、喜連川はるな女王、LPSA所属の篠原梨緒初段などが登場。それぞれの葛藤が描かれる。男兄弟と差別されて育ち、褒めてもらえなかった子、容姿(だけ)でちやほやされる人、できるようになると足を引っ張られる人など、女性特有の悩みは将棋界だけではないのだろうが、一芸に秀でた棋士であっても、こうした問題と無縁ではいられないのだ。

今あげた名はもちろん架空の人物であろうが、モデルになった人がいるのではないかと思う。こうしたエピソードが書かれている点で本作は出色の出来栄えだといえるのではないか。

宝くんの登場シーンはわずかだが、四段になった。そしてママに、研修会に入りたいという決意をママに告げる。いやー、これからが楽しみだ。



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