鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「度胸星」1

新装版 度胸星(1)

新装版 度胸星(1)

山田芳裕は「デカスロン」連載の頃から注目していて、「いよっおみっちゃん」「ジャイアント」「へうげもの」「望郷太郎」とずっと読んでいる(掲載誌の「モーニング」をずっと購読しているので当然ではあるが)。なお「ジャイアント」「へうげもの」は単行本を揃えている程度には山田芳裕のことは好きである。

しかし、この作品は知らなかった。たまたまAmazonで見つけ、試しに一冊買ってみたが、タイトルにも中身にも覚えはなかった。

年代的には「デカスロン」のあとになる。ヤングサンデーで連載していたが、方針変更に伴い未完のまま連載中止になったとか。廃刊になったあおりを食らったのかと思ったが、本作品の最終掲載は2001年1号、ヤンサンの休刊は2008年35号だから、それは関係ないようだ。

こんなことを長々と書くのは、その内容が先駆的で驚いたからだ。近未来、人類はついに火星に到達する。が、喜びもつかのま、通信が途絶えてしまう。火星に残った人を救出すべく、新たなクルーの選抜が行なわれる……というものだが、この時の選抜試験の様子が「宇宙兄弟」に酷似している。

酷似と言っても、盗作うんぬんを問題にするようなレベルではない。ただ、これまで「宇宙兄弟」には先行する作品が見当たらず、一から十まで新たに構想した作品かと思っていたため、それであの完成度は信じがたかったが、先行する作品があったこと、それを自分が発見できたことが嬉しい。


漫画・コミックランキング

(2020/6/22 記)