鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ファッション!!」1

  • はるな檸檬「ファッション!!」1

最近2巻が発売になったようで、その宣伝を見た。それで興味を持ち、どんな本か見てみた。

私がファッションに興味がないのは、宝塚に興味がないのと同じ(英語の「鯨の構文」だな)。要はファッションおたくの話らしく、はるな檸檬の描くおたくの話なら間違いはないと、即購入を決めた。紙の単行本に比べてkindleが半額というのも好印象だ。

ZUCCA×ZUCA ヅッカヅカ」にしても「タクマとハナコ」にしても、連作短編であるが、本作は初めて(?)の長編。内容も、ギャグっぽい部分もあるが全体としてはシリアスで、そのため絵柄も劇画調に寄せている。表紙の通り。

新道開を主人公とするならば、ジャンは物語を大きく動かしていく準主人公格の人物ということになるが、この人間の腹黒さというか底意地の悪さがちょっと突き抜けいて、読んでいて怖くなってきた。

正確に言うと、1巻の時点では才能に恵まれ、熱心でやる気に満ち溢れた人物としてのみ描かれ、悪いうわさが流れているというだけで、それが当を得た批判なのか、嫌がらせまたは誤解に基づく中傷なのかは明示されない。されないけれども、恐らくそうだろうと想像できるような描き方になっている。

このタイプの人物は僕が最も苦手とするもので、生理的嫌悪感が先立つ。2巻を読むと取り返しがつかなくなりそうなので、1巻だけでやめておく。作品のクオリティが低いということではない。



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