鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「青い牙」(全3巻)

青い牙1

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青い牙2

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青い牙3

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ヤングアニマル連載作品。オリジナル単行本は、第一巻が2005年2月28日、白泉社刊。二巻以降は不明。kindle版はすべて2021年4月1日、グループ・ゼロ刊。

フランスの軍人であるジル・ド・レの若き日を描いたもの。ジル・ド・レはジャンヌ・ダルクらとともにイギリスとの百年戦争で活躍し英雄とされたが、性格や態度に問題があり、最後は逮捕され処刑されて生涯を終えた人物。作家の食指が動くのか、小説や漫画でもたびたび取り上げられているようだ。

作者のあとがきによると「新しいモノを描きたかった」ため意欲的に取り組んだが、「人気のほうは玉砕」したとのこと。もっといろいろ描きたいこともあったようだが、打ち切りの憂き目にあったということだろう。

歴史もの、とくに外国のとなると、建物や服装を描くにも恐らく膨大な資料が必要で、描く努力は並大抵ではなかっただろう。これまで男性の表情は、パターン化された数種類しか描いてこなかったが、本作では微妙な表情を描き分けており、画力に相当な上達が認められる。

シェリーという侍女が悲劇のヒロインとして登場し、有村しのぶらしい肢体もたっぷり見せてくれる。

僕としては割と面白かったと思うが、このジャンルは一流の漫画家が名作秀作を残しているので、そこに食い込むのは難しいのも事実だろう。



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