鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「探偵ミステイク」

スラップスティックコメディ。

主人公の探偵・城鬼ハイムは驚異的な頭脳でどんな難事件もすぐに解決する。助手の愛田アイリは城鬼のことが好き過ぎるサイコストーカーで女子高生。もう一人、天才ハッカーの渡造がいる。見た目は中学生、精神年齢は小学生? この三人の織り成す物語。

もともとはマーガレットに7回にわたって連載された(2013年)4コマ漫画。この35ページ(あとがきで作者がそう書いているが、実際には41ページある)の本編に描き下ろし40ページを加えたのが本書である。ハチャメチャ過ぎて「このあとしばらくマーガレットでの連載はなかった」と作者があとがきで描いているが、それ以前の作品と比べてどうであろうか……

連載3回目で、アイリがマシンガンを持たされて武器や薬の密売をしている組織のアジトにカチコミに行かされる話がある。アイリの大騒ぎにより、重要な品物を慌てて隠そうとして探偵が隠し場所を見つける。「よくやりました、おかげで目的を達成しました」とねぎらいの言葉をかけるのだが、「このままだと殺されます、どうやって脱出すればいいんですか!」との質問に対し、城鬼は、君の生死は事件解決の関係あるの……? ととぼけた返事をする……

というこのシーンは、見覚えがあるのだ。それ以外のシーンは覚えがない。だからこの本を読んだわけではない。そもそも単行本は電子書籍しかないので、どこかに置いてあったのを手にする、ということはない。マーガレットを読むことも滅多にはないし、どこで見たのかは謎。

ギャグ漫画も好きなジャンルではあるが、ドタバタギャグは一般にあまり好きではない。でもこの作品は面白いと思う。設定が突き抜けていて現実感がないのがいい。また、一冊で終わっているのもいい。作者が楽しんで描いていた風なのも高得点だ。



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