- 岡本梨奈「面白すぎて誰かに話したくなる紫式部日記」(リベラル新書)
2023年11月26日刊。書店の店頭に飾ってあって衝動買い。
大河ドラマ「光る君へ」を楽しんで見ているが、何しろ平安時代についても、清少納言についても紫式部についても予備知識がなさ過ぎる。なくても面白いが、あればもっと楽しかろう。そう思って手が伸びたが、タイトル通り面白い本である。
既に大河でやった時代については登場人物があの顔で思い起こされ、これからの部分については「ネタバレだな……」と思いつつ、「まあ、史実通りにやるとは限らないし」と思いつつ楽しんで読んだ。
ところで、著者は予備校の講師だそうで、当初はさらりと受け止めていたのだが、聞いたことがなかったからどんな予備校かとちょっと調べてみたら、「スタディサプリ」というオンライン予備校なのだそうである。しかも(チラとサイトを見た限りでは)授業はライブではなく、動画を(好きな時間に)見るというものらしい。そして授業料が恐ろしく安い。英語の教師には関正生の名もある。
オンライン予備校は、移動の時間がかからない、夜遅くなって親が迎えに行くという手間もかからない、近くに予備校のない地方の子でも格差なく学べるなど、メリットは多いだろう。これからはこういう学校が増えていくのかも知れない。ただ、この方式は生徒にやる気があって初めて成り立つもの。そして塾でも予備校でも、「いかに生徒にやる気を出させるか」が最大の仕事ではないかと考えると、いろいろと疑問もなくはない。
単科コースがあるなら、岡本先生の古文の授業は受けてみたいかな……