鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝」3(新刊)

  • 倉尾宏「北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝」3(ゼノンコミックス)

2022年10月20日刊。

本作を読むために1巻から読み直していたのだが、冒頭からげらげら笑ってしまう爆発力があり、さすがにそろそろマンネリになってきたかと思いきや、本作ではさらにパワーアップされている。

マミヤ役の女優、二見は元スケ番で喧嘩が滅法強く、気も強い。異常な雰囲気のドラマ撮影チームにあとから合流していながら、体当たりの演技と歯に衣着せぬ物言いで、たちまちのうちになじんでいく。マミヤがレイに服を引き裂かれるシーンも、当初は下着がチラと見えるだけだったのを、自ら監督に言って全身を引き裂かれるように修正を提案。その方がレイの強さもマミヤのみじめさもよく伝わるからと。その上、世紀末にブラジャーはないだろうと下着を付けなかったため、服が裂けたら胸が露出されて、監督の方が慌てる始末。

ますます快調に進むと思いきや、ジャギ役の人がジャギになり切ったあまりマミヤに無作法を働き、怒ったマミヤが顔にグーパン。それに怒ったジャギが殴り返そうとしたところをレイが止めに入り、よりによってジャニーズ……ではなくジャミングの嘉崎の顔に傷をつけてしまう。謝って済む問題ではなく、嘉崎の休養、二見の謹慎、スポンサーの降板など、大騒ぎになる……。果たしてどう収束するのか?

ケンシロウ役の橘が女性にうぶで、キスシーンができない(最終的に唇をくっつけず、髪で隠して撮影)などの小ネタも楽しいが、そもそもの原作が、先のことなど考えず、その場その場の思い付きでストーリーを紡いでいったとしか思えない(事実その通りだと原作者も告白しているわけだが)点を、現場の熱気とハプニングで作り上げていった結果だとしている点が慧眼だったのだと思う。

早く続きが読みたい。



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