鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「川柳少女」10

恋愛漫画では、主人公が意中の人となかなかくっつけないでいる間に、主人公のことを好きだという人が現われ、その人のことが気になってしまう、という展開が王道である。「愛と誠」の早乙女愛には岩清水弘がおり、「めぞん一刻」の五代くんにはこずえちゃんとか八神とかが登場して話を引っ掻き回す。

ところが本作の主人公である七々子は、人気者というほどではないが、可愛くて、割と多くの人から好かれる性格であるにも関わらず、彼女に恋する人は出現しない。七々子はエイジ一筋で、全く他に目を向けることはない。むしろ、強面で口も悪く、周囲から敬遠されているエイジがもてまくりである。根はいい人だからもてるのは不思議ではないが……。

そうしたわけで、本作の登場人物は、エイジ以外は担任の倉先生を含めてすべて女性(七々子パパはいるが、既婚者は除外)。なかなか珍しい構成である。

(2019/10/10 記)


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