鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「からかい上手の高木さん」12

高木さんの造形(容姿・性格)は、作者が「自分が可愛いと思う女の子を描きたい」と追求した結果のキャラクターなのではないだろうか。

一昔前の作家、たとえば、ちばてつやにとって白木葉子は、石森章太郎にとってアルヌール(003)は、水島新司にとって水原勇気や大虎サチ子は、別に自分の理想の女性というわけではなかろう。自分の描いた絵に対し、お、これはうまく描けたな、と思うことはあっても、「くーっ、白木葉子かわいいー!!」と自分の絵を見てはぁはぁ言ったりはしていないと思うのだ。

一方、「川柳少女」の七々子とか、「目黒さんは初めてじゃない」の目黒さんとかは、作者自身の好みが思い切り反映されていて、自分の絵をじっと見つめ「七々子かわいいよ七々子」と言っているような気がする。最近の若手作家の作品は、そういう気持ちが感じられるものが多いように思う。

本作も、きっと作者は高木さんのような女の子が好きなんだろうな。まあ、すべてが100%好みにマッチしているかはわからないが、おでこフェチ(前髪が分かれていておでこが見えている子が好き)なんだろうな、と思って見ている。

僕も高木さんは嫌いではないけれど、高木さんがしばしばキスを引き合いに出すのは、ちょっと卑怯な手かも知れんね。



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