鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「からかい上手の高木さん」10

注目すべき作品がいくつかある。

冒頭の「西片」には高木さんが登場するが、隣の席の男子は西片ではない。というか初めて見る人で誰だかわからない。二人はゲームをしたりして親しく話をしているが、これもちょっと変。高木さんがムキになって相手を負かそうとするけれど、やり込められるのは高木さんの方。と思ったら、相手の男が高木さん、いや、高木さんだと思っていた女のことを「西片」と呼んだ。

そこで謎が解ける。つまり、これは西片の娘の話だというわけだ。顔が高木さんそっくりなのは、もちろん、高木さんの娘でもあるからだろう。が、性格は父親似のようだ。でも相手の男は高木さん、じゃなくて西片さんのことが好きみたいだよ。気が付いている?

第7話の「釣り」では、二人が抱き合うシーンがある。いや、抱き「合って」はいないか。高木さんが西片を抱きしめるだけだが、ここまでの物理的な接触は初めてではないか。

第8話の「箱」では、箱の中身を当てる勝負をして、例によって高木さんが勝って西片が負けるのだが、そのあとで高木さんがこう言う。

「このゲームの結果ってさ、私たちそのままって感じだね。西片のはわかりやすくてすぐわかっちゃうし、私のはすごくわかりやすくて見えているのに、西片がちゃんと見てないとことか」

そうなのだ西片クン、高木さんのことは全部見えているんだぞ。キミが見ていないだけだぞ。

最終話「呼び方」。高木さんは当初は西片のことを「西片君」と呼んでいたが、ある時から「西片」と呼ぶようになった。そのきっかけの話。



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