鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「からかい上手の高木さん」9

以前から気になっていたのだが、この作品は毎回読み切り形式とはいえ、ゆっくりと時間は流れているわけだが、時系列が整っていない。たとえば夏休み中の話があり、その次に学校での話があり、ということは夏休みが終わったということなんだと思っていると、その次にまた夏休み中の話になったり。マフラーを首に巻いている話の次が、夏服の話だったり。

連載順ではなく、単行本収録時になんらかの理由でガチャしているのかとも思ったが、本巻冒頭の作品では二人とも夏服で「30度あって暑い」と言っている。当然夏の話だろう。が、掲載されたのは巻末を見ると「2018年1月号~6月号掲載作品」とある。月刊誌だから発売されたのは2017年12月~2018年5月で、当て嵌まる月はない。ということは、作者は作中の季節は実際の季節感に関係なく設定し、前後の流れも無視して話を作っている、ということか?

第二話「くしゃみ」場面転換の仕方がうまい。ユカリがミナ、サナエに「西片君と高木ちゃん、真野ちゃん中井君とプールに行ったらしいわ。これはもう……」と言いかけるとミナが「プール!? 行きたい!!」と叫び、サナエも「私も」と応じる。不憫な子!

なおこの話では浜口が(意を決して)北条さんを誘い、北条さんがまんざらでもない顔をして応じるシーンがある。二人は空き地に立ち寄り、きごちない会話を始める。その初々しさに胸がきゅんとしてしまう。この二人、うまくいくといいな。



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