鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「軍師 黒田官兵衛伝」4

前半は山崎の合戦である。当初は明智軍が優勢に展開するのだけど、数で勝る羽柴軍は徐々に明智を追い詰めていく。が、秀吉に笑顔はない。彼はこうつぶやくのだ。

お主も拙者同様、信長さまの戦を見続けて来たではないか。

  • 敵より多く兵を集めよ
  • 外交で盟友を増やせ
  • 神速をもって地の利を押さえよ

鉄砲だって野戦においては長篠の戦のように柵や土塁を利用して初めて活きるもの……なのにこの戦、お主から信長さまの匂いが何一つ感じられない。

これは信長の戦術・戦略の総括にもなっていて、なかなか興味深い。

なお本作では明智光秀は落ち武者狩りにあって殺されるが、今わの際に「生まれ変わったら僧になって天のように……海のように……広く穏やかな心で生きよう」と呟くところが興味深い。「麒麟がくる」とは違うが、これもまた天海を暗示させる。

そして清須会議を経て賤ケ岳の合戦へと話が進み、官兵衛も活躍するわけだが、賤ケ岳が終わらない……? 本巻は最終巻ではなく、まだ続きがあった! 途中で掲載誌が変わった影響などもあったようだが、2016年から2018年まで延々三年かけて描かれており、単行本は2019年1月に発売されている。すると5巻の発売は2022年か!?



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