映画「引っ越し大名」を見て、松平直矩という人物を知った。脚本を担当した土橋章宏の「引っ越し大名三千里」のほかに松平直矩について書いた小説があるというので購入してみた。
てっきり長編小説かと思っていたので、最初の「逆臣の座」を読んでいる時は、上杉禅秀の話がいつ松平直矩につながるのかと(江戸時代の話を描くのに室町時代から描き始めるのかと)ちょっとワクワクしたのだが、これは短編集で、表題作が松平直矩について描いたものであり、「逆臣の座」は全く関係がないのだった。ガッカリ。
映画とは全く違う捉え方をしており、高畑充希も高橋一生も出て来ないが、これはこれで面白かった。松平姓を名乗るからには仮にも徳川家の親藩だろう、それなのになぜこのような(何度も国替えをさせるというような)過酷なことを強いるのか、不思議だったが、結城秀康の孫と分かってナットク。何かと不憫なのは秀康だけでなく、末裔までも影響を受けたのだ。
(2019/10/28 記)
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- 笑えてほろりと「引っ越し大名」(窓の向こうに、2019/8/31)