鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「めんつゆひとり飯」1

  • 瀬戸口みずき「めんつゆひとり飯」1(バンブーコミックス)

2018年9月18日刊。紙版は825円なのに対しkindleは245円とかなりお得だ。4巻まではこの価格。5巻は少し高いけど、それでも紙版の約半額(いつまでこの価格かはわからない。今日はそうだということ)。

Web広告に出てきて、絵柄が好みなので買ってみた。

料理漫画ぽい体裁を取っているが、料理漫画ではないな。職場の人を取り巻くほのぼのコマ漫画。敢えて言うなら恋愛漫画……?

登場人物は、主人公の面堂露(女性、26歳、平社員、独身)、その同期の十越いりこ(社長秘書、既婚)、上司の保ケ辺勉(独身)、保ケ辺に片思い中の舞ちゃん、社長、あとはモブ……

主人公は超がつく面倒くさがりやで、料理の味付けもめんつゆ一辺倒、という設定だが、第一話では肉じゃがを作るのに、人参の皮を剥き、細かく切り、玉ねぎも切り、牛コマと結びしらたきと合わせてバターでいため、めんつゆで味付けをする(じゃがいもは冷凍ポテト)。さらに人参の皮を千切りにしてごま油でいためてめんつゆとみりんを入れ、胡麻をまぶす、など、かなり手の込んだ料理をしている。以降も同様で、面倒くさがりやの描写は随所にあるが、料理に関しては「かなりまめ」であると思う。

十越いりこが料理上手な設定はよいけれど、すべてに手作りというのは無理がある。子どもはいないようだが、フルタイムで働いていて、しかも社長に休日にも呼び出されることがある状況で、家事を代わってくれなさそうな夫と、毎日のお弁当と夕食の支度(恐らく朝食も)というもはかなり大変なこと。「時短料理」に興味がないはずはないと思う。まあ、めんつゆを使わないのは彼女なりのプライドなのかも。

ところで、カップラーメンは時間がない時に食べる、と聞いた十越が、10分あれば一品作れる、買い物の時間は一緒だし、と疑問を呈するシーンがある。カップラーメンが重宝なのは自宅ではなく職場だと思う。残業中に小腹が空いた時のために、引き出しにカップラーメンを2~3個常備しておくのは必須だ。会社では料理なんかできないんだから。

舞ちゃんに、風邪の時は何を食べたいと訊かれた保ケ辺が「大盛りカルビ丼」と答えて、なんでガッツリなのかとあきれられていたが、保ケ辺の理屈は「風邪を治すためのエネルギー補給」だという。この理屈は、わかる。



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