鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「穴殺人」5(続)

粗筋(ネタバレあり)

前回の記事ではストーリーの紹介を途中で省いたが、書いておかないと自分でわからなくなるので、最後まで記載しておく。

宮市が黒須の身体に盗聴器が埋め込まれていたことに気付き、壊すが、時既に遅し。それは榊が埋めておいたもので、それを追って榊がその場にやってくる。しかも娘、と称する屈強な男を二人連れており、この娘たちに黒須と宮市を捕獲させようとする。榊は二人を生涯監禁し、死に勝る憂き目を与えようというのだ。かろうじて娘らを撃退した黒須と宮市だが、榊の毒ガス攻撃で反撃の力を失う。動かない宮市を榊が襲おうとした時……

シュナイダー刑事の拳銃が榊を撃ち殺した。シュナイダーは山際春子と宮市の死体処理係の女(?)とともに、やはり宮市を追いかけて来ていたのだ。間一髪、救われる黒須と宮市だが、宮市が黒須を殺す気であることがわかると、シュナイダーは宮市を殺そうとする。黒須は宮市をかばおうとして被弾。怒り狂った宮市はシュナイダーを殺そうとするが、黒須から、もう(自分以外)誰も殺さないと約束しただろうと言われて殺すのをやめる。黒須は肩を射抜かれたので激痛に襲われているが、命には別条はなかった。それを知った宮市は、シュナイダーを窓から突き落としてけがをさせるにとどめ、改めて黒須の命を奪おうとする。

黒須と宮市は、抱き合い、キスをし、愛を確認し合ってからさて……と宮市が黒須に手をかけるが、窓から落ちていなかったシュナイダーに腹を撃たれてしまう。即死はしなかったが、生気がどんどん失われていく。本当は、黒須が宮市の手によって殺され、二人は永遠の愛を手に入れるはずだったが、それが叶わなくなった今、できることは、立場が逆になるが、自分が宮市を殺すことだけ、と、宮市にカッターを突き立てる……

雑感

死体処理の女は、第一巻から登場し、この人間自体もサイコパスで、物語に重要な絡み方をしているが、うまく紹介できず、これまでほとんど触れられなかったが、名前は延命寺玲奈。なぜシュナイダー・山際春子に合流しているのかは謎。

榊が宮市らの位置を突き止めたのは盗聴器のおかげだが、シュナイダーがなぜ宮市らにたどりつけたかは謎。山際春子の占いの力によるものか?

シュナイダーが刑事なら、必要なのは宮市を逮捕することであって排除することではない。まして、この時点ではろくな証拠もなく、宮市が連続殺人犯であるのは、本人がそう言っているからに過ぎない。それなのに殺すのはやり過ぎである。一応、黒須を殺すのを阻止するためという名目なのだろうが、これも、二人がそう言っているだけで、殺していいほど明らかなものではなかった。刑事として考えるなら、ここで黒須を殺せば現行犯逮捕できる、と考えてもいいところだ。それなのに撃ってしまったのは、シュナイダーにも宮市や榊らと同じ血が流れているからか……。しかし、現職の刑事で生きているシュナイダーは、こんなことをしでかしてしまえば、今後は厳しいものになるだろう。

それにしても宮市が死んでしまえば話は終わりと思うが終わる気配がない。これからどういう展開になるのだろう?


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