「ジャスティ」に次ぐSFヒロイックファンタジーもの。「ジャスティ」はわかりやすい勧善懲悪ものから始まったが、本作は「逃亡者」風。ガイ・グレイバードの抹殺指令がくだり、ガイは次々に襲われるが、ことごとくこれを返り討ちにする。ガイは最強の部隊と言われた特殊機動部隊「30(サーティ)・サタン」の一番の腕っこきであり、唯一の生き残りである……ということはわかるが、なぜ彼が追われるのかは、物語中盤までわからない。
一応、真相がわかってからも、だからといって多大な犠牲を払ってまでガイを抹殺する必要があるのか、今一つ納得できないし、そのような危険な任務を唯々諾々と引き受ける人が大勢いることも少々疑問ではある。おまけにガイがマザー・コンピュータのLEAFと同調してからの無敵ぶりは、話の展開が奔放過ぎてついていけない感もある。
ただ、「ジャスティ」におけるジェルナやアスタリス、あるいは立花美子のような甘ったるい存在がおらず、その分ハードである点は買える。
長年、本作の存在は知っていたものの読む機会がなく、気になっていた。今回の大人買いでようなく知ることができ、その点は満足だ。