鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「小林先輩は女の子でシたい」

  • うり「小林先輩は女の子でシたい(分冊版)」1~6

さかんにWebで宣伝している作品。興味がわいたので、その時は分冊版しかなかったが、一冊が安いため気軽に購入。続きが気になり5巻まで一気に揃える。6巻が出たので買う。ここで、普通の単行本が出る。

普通の単行本が出るためには、相応の時間がかかるが、それまで待てない。出来た分から読みたい、というニーズもあるだろうし、どんな作品か知りたいと思う人にとって、面白いかどうかわからない作品にいきなり800円は払えないが、一話150円なら気軽に買えるということもあるだろう。だから分冊版があるのはいい。そういう形でも出版できるのが電子書籍のよいところでもあるのだ(紙の書籍なら一話ごとにバラ売りすることはできまい)。

そして、今回の通常の単行本は737円で1~6話までが収録されているという。分冊版6冊の価格は888円だから、まとめて買った方が安いが、これも致し方ないだろう。ここまではいい。

問題は、通常の単行本に「描きおろし」がついているということだ。これはちょっとひどいのではないか。分冊版を買い揃えてきた人に再度買わせる戦略だとしたら信義を欠く行為だ。既に888円も投資している上に、何ページあるかわからない描きおろしのためにさらに737円を差し出せというのはフェアではない。それなら描きおろしもそれだけ単独で買えるようにすべきだ。

目先の売り上げに目がくらんでも、こうした不正直、不誠実なやり方は、長い目で見れば自分の首を絞めると思う。出版社や作者は、よく考えてほしい。

作品は、ある日目が覚めたら女になってしまった小林くんが、どうせなら女でいる間に女の身体でセックスしたいと考え、職場の後輩の高津に頼みに行く。が、高津は実はゲイで、女の小林には興味がないが、実は男の小林のことは以前から好きだった、男に戻ったら付き合ってくださいと言われてしまう……

作者はどうもBLが専門らしく、Amazonのレビュー欄には「男×女の行為も描かれていますからご注意を!」などと書いてあって笑える。自分は男×男は苦手で、できれば目にしたくないが、この作者の描く女性がとても可愛いため、そこが魅力だったのだ。いろいろな見方があるものだ。


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