鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ジャスティ」4 - 7

紙の単行本は全5巻であった。4、5巻は、ジャスティが任務で地球へ行き、第一話で登場した立花美子と再会、記憶を消したはずなのにミコは神名代純(ジャスティの日本名)のことを覚えていて……という話だったと思うのだが、どうもおかしい。

いろいろ調べてみると、少年サンデー増刊での連載は円満解決だと思っていたが、話の展開を巡って編集部側と作者側で齟齬があり、その結果、打ち切りのような形でやめたというのが真相らしい。

その後、Web系の雑誌で続編が描かれているという噂は聞いており、それが単行本化された(紙の単行本より電子版が冊数が多いのはそういう理由)のだと思っていたが、そうではなく、紙の単行本の4、5巻は作者としては「なかったこと」にして、新たに描き直したのが電子版の4~7巻だということだ。

編集部とのやりとりは、作者のtwitterで簡単に明かされているが、実際のやりとりはわからない。数ページならともかく、単行本2冊分を丸々なかったことにするのは、尋常ではないと思う。それに、作者にとっては不本意だったとしても、いったん雑誌に発表し、単行本化され、その内容を愛したファンがいる(自分を含む)のだから、簡単に「なかったこと」にはしてほしくない。紙の単行本の4、5巻も電子化し、4、5巻は作者にとって不本意だったため、6巻は5巻の続きではなく、3巻の続きです、とでも注を振っておけば、読者は作者の心情を想像しつつ、どちらも楽しむことができるのに、と思う。

しかし、長い時間がたった割には絵柄にほとんど変化がなく、違和感がないのはさすがである。

3巻の大戦でジェルナを失い、怒りと悲しみで全能力を解放したジャスティは、自らの「力」の影響で30年の時間を飛ばされてしまう。戦後30年、ほころびを少しずつ縫い合わせ、傷をいやし、平和な銀河を再構築しようとしているコズモポリスの前に現れたジャスティは、大戦後数時間しか経っていなかった。

で、まあ、舞台を地球に移して壮大な作戦展開が行われる。立花美子も登場する。アラフォーになったミコが、妙に艶めかしいのが嬉しい、いや、やり過ぎだ。

ところで、7巻は、これ本当に最終回なのか? あまり「終わっていない」気がするのだが。


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