- 生田悠理「サクラサク」(オフィス漫)
連作短編集。全4話。2018年12月7日刊。紙版はないようだ。「たのしいわがや」と同日なのはどういう意味があるのだろうか?
ホラー&サスペンスでも、ラブストーリーでもない。ヒューマンストーリーというべきか、ショタものというべきか。そして、とても面白い。最終話なんてほろりとしちゃったよ。
椿は受験のために上京。椿には、東京に住む姉がいる。2歳の時に別れ、その後16年会うことのなかった(両親が離婚し、それぞれに引き取られたため)が、上京した時に、せっかくだからと会いに行った。
ほとんど初対面の姉は、母亡き後下宿「あおば荘」を引き継いで営んでおり、いつの間にか椿も東京滞在中はホテルではなくここで暮らすことになる。ほとんど初対面の姉は、美人で独身で明るく面倒見がよい肝っ玉母さん。孤独で内向的だった椿は、姉と触れ合ううちに心が変わっていく……
がさつだが明るい姉と内向的な弟、という組み合わせはありがちだが、エピソードはユニーク。笑いと涙がうまく同居している。傑作だ。