鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「曽祢まさこ短編集 ~ブローニイ家の悲劇~ 完全版」

  • 曽祢まさこ「曽祢まさこ短編集 ~ブローニイ家の悲劇~ 完全版」(ゴマブックス

オリジナルは(紙版)は文庫本。ホラー&ミステリーをテーマに、既存の単行本から集めたオリジナル短編集。

「ブローニイ家の悲劇」はもともと「幽霊がり」の単行本に収録されていたが、のちに「魔犬シリウス」が収録された「幽霊狩り 完全版」が出た際に、「幽霊狩り」のシリーズではないということで外されてしまった。「ブローニイ家の悲劇」を読むためには本書を購入するしかない。

「ブローニイ家の悲劇」と「死霊教室」が初期の作品で、それ以外の作品はその15年以上あとのもの。従って絵柄が(ストーリー展開も)まるで違う。現在の曽祢まさこファンにとっては、評価の分かれるところだろう。

「秘密の小箱」は、「私」が彼を信じられず、余計なことをしたために、すべてが台無しになってしまう……というものだが、たとえ正当防衛であれ、人を殺したからには警察に届けなければいけない。そうでなければ警察は仕事が終わらないし、家族も浮かばれないから。「私」さえ黙っていれば、あるいは真っ先に彼に相談していれば、うまくいった、というのは考え違いだ。

初出一覧

作品名 掲載誌 出版社 掲載号
ブローニイ家の悲劇 なかよし 講談社 1975年
秘密の小箱 ミステリーハロウィン 1989年
琥珀色の夜 LCミステリー スコラ 1991年
忘れられた教室 学園恐怖伝説 実業之日本社 1994年
夢見る教室 霊感少女 1994年
死霊教室 なかよし 講談社 1976年
風の墓標 なかよし 講談社 1983年



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