鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「脱獄のカザリヤ」3(新刊)

  • 原作・天下雌子、作画・CHIEKO「脱獄のカザリヤ」3(マンガボックス)

2023年10月31日刊。最新刊。

「特別教練」は、入院したばかりの院生は必ず参加させられることになっている。真紀は誰が裏切り者なのかを探るべく、自分は特別教練をサボると言い出し、どこに隠れるか、同房三人にそれぞれ別の場所を教える。

特別教練が始まるが、集合時刻に真紀は姿を隠す。それを見た看守長はある場所を探すよう部下に指示。しかし真紀は集合場所に駆け付け、ちょっと遅れただけ、サボるつもりなんか最初からないと嘯く。

指示されたゲームは平均台の上で相撲を取るというものだが、相手は同房の橋本祥子だった。運動神経抜群の真紀と怯えて震えている祥子とでは勝負にならないと見られたが、真紀は自ら平均台を降りてしまう……

真紀は自分を売った人を裏切り者だと考えているようだが、ここで初めて顔を合わせた相手と、厳しいとはいえ看守と、どちらをより信頼するか。まして嘘をついてバレたら自分も咎を受けるかも知れないのだから、細大漏らさず報告する人がいて当たり前だ。黙っていてくれると思い込んでいたとしたら、甘い。

真紀は17歳だがまだ性体験がない。スラムの環境では一般に性体験は早い。矯正院でもマーサから身体を求められ、抱かせてくれたら情報を教えてやると言われたが拒否。だから「そういうこと」に人一倍嫌悪感を抱いているのだろうと思った。祥子とは同日入院で同房というだけで、特に親しみを感じている様子はない。勝負を投げれば富裕層の慰み者になることが決まっているのに敢えて降りるとは、何か目的があってのことか?

あっという間に最新刊まできてしまった。続きが気になる。



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