鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「はじめの一歩」21 - 25

はじめの一歩(21) (講談社コミックス)

はじめの一歩(21) (講談社コミックス)

はじめの一歩(22) (講談社コミックス)

はじめの一歩(22) (講談社コミックス)

はじめの一歩(23) (講談社コミックス)

はじめの一歩(23) (講談社コミックス)

はじめの一歩(24) (講談社コミックス)

はじめの一歩(24) (講談社コミックス)

はじめの一歩(25) (講談社コミックス)

はじめの一歩(25) (講談社コミックス)

当初は単行本一冊ずつ60巻までコメントしようかと思ったが、以前、少年マガジンを毎週買って、その感想を毎週書いていた時に、「はじめの一歩」についてもほぼ毎回コメントしていたから、繰り返すのはやめる。

改めて読み返してみて、やはり面白い漫画だなあ(少なくともある時期までは)ということを再認識した。

その面白かった時期に、非常に残念だったのは、主人公の幕の内一歩が少しも強く見えないことである。一歩は日本タイトルに挑戦するまでは無敗で、しかもすべての試合をKO勝ちで昇ってきたボクサーであり、少なくとも同期・同世代の中ではずば抜けている、はずである。事実、口頭では「フェザー最強の拳」をはじめ、最大最高の称賛をされるが、いざ試合が始まってみると苦戦の連続で、あんまり強く思えないのである。

これはスポーツ漫画の宿命で、主人公があっさり勝ったら面白くない。だから強い相手とぶつかり、苦戦するが、困難を乗り越えて勝つ。その時は、頑張ったな、と思うのだが、あとから考えると、あんなに苦戦するということは、主人公はあまり強くないんだな、と思えてしまう、というのはよくある話である。

「はじめの一歩」の場合は、ライバルが一歩より強いために一歩がかすむのが問題だと思う。

一歩は新人王になり、10位にランクされる。そうしたら5位の沖田から対戦相手に指名され、いきなり上位者と!? と周囲に驚かれたが、勝てば一気にランキングを駆け上がれると受諾。その後A級トーナメントを勝ち抜き、タイトルコンテンダーとなる。ここまで、一歩は最短最速の道を歩んできたはず。

しかし、東日本新人王の決勝で一歩に敗れた間柴は、これで後退し、さらに階級を上にあげたにも関わらず、一歩と同時期に日本タイトル挑戦、これに勝って先にチャンピオンになる。なぜ間柴に追い抜かれる?

日本新人王戦で一歩に負けた千堂武士は、その時点ではランキング入りできない。あとから一歩を追いかけてきたのだろうが、A級トーナメントには参加しなかった。これでさらに一歩との差が開いたはずだが、トーナメント終了後の時点で、ランキング1位が一歩、準優勝のヴォルクが3位で、千堂武士が2位になっている。何をどうするとこんなことをが起きるのか? 

伊達英二が王座を返上したら、1位と2位で決戦をして(あるいは1~4位でトーナメントを行なって)王者を決めればいいと思うのに、一歩を差し置いて2位と3位が王座をめぐって戦うというのもよくわからない。だから千堂が先にチャンピオンになり、一歩が挑戦者として挑むというのが不思議。この辺で、一歩が弱く感じられるようになるのだ。

千堂も間柴も、今後とも一歩のライバルとして長く引っ張っていくつもりで、常に一歩と同レベルで進んでいくということにしたいのだろうが、とにかく直接対決で負けているのだから、一歩二歩後退したところから虎視眈々と上を狙っているということにすればよかったと思うのだ。



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