鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「Good Job Returns」1

  • かたおかみさお「Good Job Returns」1(ジュールコミックス)

「Good Job~グッジョブ」と間違えて購入してしまった。

「Good Job」シリーズがこの作者のこれまでの最大のヒット作ということになるようだ。「Kiss」で不定期掲載され、単行本全7巻。2008年から「Kiss PLUS」にて「新Good Job」が連載され、全7巻。2014年からは双葉社の「ジュール」で「Good Job Returns」が連載され。全4巻。2007年にはNHKで実写ドラマ化もされた(主演は松下奈緒)。

「Good Job Returns」1を読む限りでは、正統派のビジネス漫画だ。OLたちが、仕事の早い人遅い人、要領のいい人悪い人、めちゃくちゃな指示に言い返せる人何も言えない人など、皆それぞれいいところや悪いところがあり、無理解な同僚もいれば協力的な人もおり、そんな中で上ちゃんこと上原草子を中心にみんなで頑張っていくという物語。

会社の中での女性特有の問題――主に男性社員の補助業務であり、指示する人の指示の仕方で効率や成果がまるで変ってくること――を正面から取り上げている点が、「なぜか笑介」「人事課長鬼塚」「監査役野崎修平」「課長島耕作」などと大きく違うところ。女性が主役という点では「重役秘書リナ」「この女に賭けろ」などが思い浮かぶが、前者は役員秘書、後者は総合職でまたちょっと毛色が違う。本作で取り上げられている女性社員が典型的なOLだと思うが、類似の作品を思いつかない。だからこそヒットしたか。

「ヒビコレ 公民館のジョーさん」をこの延長線上に考えると、わかる気がする。

ところで、かたおかみさおがほかにどんな作品を描いているのか検索して上記を知ったわけだけど、実は「ワタシ以外みんなバカ」とか「社内探偵」の作者でもあると知って呆気に取られている。これらの作品も最近よくWeb広告で見かけるので知っているが、ちょっと立ち読みをして読む気が失せた作品だ。最近はこういう方向にシフトしているのか。漫画を読んでいる時までおべんきょーしたくない、登場人物は一見できる風だけど実はワタシ(読者)よりバカだとわかって留飲を下げたい、という需要なのか。そういう作品があって悪いとは言わないが、驚いた。



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