鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「そしてボクは外道マンになる」1

  • 平松伸二「そしてボクは外道マンになる」1

平松伸二版「激マン」。2016年~2017年に「グランドジャンプPREMIUM」に連載された。「激マン」は2010年~2018年なので、発表期間は一時かぶっている。

「激マン」があったから出てきた作品ではないかと思う。一時代を築いた漫画家は、晩年になったらぜひこうした作品を描いてほしい。もっとも、それができる人は限られるのかな、と感じる。

本作は存在は知っていたが、グランドジャンプは目にする機会がないため、読むことができなかった。ふとしたきっかけで単行本が出ているのに気付き、全4巻を大人買い

1巻は「ドーベルマン刑事」の連載を始めるようになるまでのいきさつと始めてからの苦労話。なるほどねえ。当時の業界の一端が垣間見れて面白い。面白いけどいまひとつ。「激マン」との違いはなんだろう。「激マン」は既に人気漫画家になったところから始まるが、本作はデビュー前から描いているため、物足りなく感じるのか。

いずれにしても、漫画の週刊連載は想像を超えた体力が必要のようだ。「激マン」でも本作でもまともに寝られない描写ばかり。漫画家は若くて体力がないと務まらないのか。しかし睡眠不足で仕事をしてもいい作品ができるとは思えないし、そんな状態が常態化したら寿命も短くなる。手塚治虫石森章太郎横山光輝も若くして亡くなられた(手塚・石森は60歳、横山は69歳)。「モーニング」は隔週連載作品がかなりある。人気作が掲載されないのは寂しいが、これが正しいのかも知れない。



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