鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「江口寿史の爆発ディナーショー」

江口寿史の爆発ディナーショー

江口寿史の爆発ディナーショー

久々に読み返してみた。「週刊漫画アクション」に連載された作品で、当時、アクションは毎週買っていたので、巻末二色カラーのこの作品を毎週楽しみにしていた。が、とにかく載らない。落としまくるのもいいところで、載った回数よりも落とした回数の方が多いのではなかったか。

これがアクション本誌の中に挟まれる作品なら調整もできたのだろうが、巻末カラーだから代替のしようもなく、仕方なく? 落ちた時は編集者(恐らく)の手によって延々と4ページにわたって言い訳がなされるのだが、それが抜群に面白かった。完全に芸として昇華していた。だから、載ってもよし載らなくてもよし、くらいの感じで雑誌を手にしていた覚えがある。*1

単行本にする時はぜひこの「載らなかった時の埋め草ページ」もコンプリートしてほしいと思っていたが、当たり前だがそんなものはなく、一切の痕跡は消されているのだった。

ただ寄せ集めではなく、形式が揃っているせいか、通して読むと平均して質が高い。文春漫画賞を受賞するほどのものかといえば、疑問だけど。

前頁カラーのせいか、単行本はハードカバーで異様に高かった。これから買う人はkindleをお薦めする。


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*1:この「言い訳芸」は「パパリンコ物語」あたりから登場したものではなかったかと思われる。少年マガジンで「はじめの一歩」が今週も12ページしかない、と読者が怒るのは、一切の言い訳がないからだ。遅筆作家の担当編集者は言い訳芸を磨いてほしい。