鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「あたしンち」14

みかんは岩木くんのことが好き。だから楽しくおしゃべりしたいと思っていて、友人の吉岡たちとおしゃべりして盛り上がっているのを見ると、自分も混ざりたいと思う。でも本人の前に出ると緊張して何もしゃべれない。

しみちゃんは、みかんは吉岡のことが好きなのだとずっと思い込んでいた。みかんが岩木くんのことを見ているのを、吉岡のことを見ているのだと誤解したから。でも実際、みかんは吉岡と仲がいいのも事実。よくしゃべるし、話が通じている。

しみちゃんがそう言うと「やめてよ! キモイ」と嫌がる。

みかんの気持ちはわかる。吉岡のことは好きでないがゆえに意識せず、自然に話せるのだ。岩木くんに話しかけられたりしたら、嬉しくて固まってしまい、何も話せなくなる。

しかしねえ、と人生の酸いも甘いもかぎ分けたおじさんであるところもワタシは思うのである。恋人だとか、夫婦だとか、長く付き合っていく上では、気兼ねなく、意識せず、普通に話せて自然に振舞える相手がいいんだよ、と。でも中学生が好きな人のことを考えてドキドキして何も考えられなくなる、というのも素晴らしいのだ。今のみかんは、岩木くんへの気持ちを大切にしてほしいものだ。


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