鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「うちの会社の小さい先輩の話」1

  • 斎創「うちの会社の小さい先輩の話」1(バンブーコミックス)

2020年10月30日刊。同じタイトルで「同人版」というものもある。どう違うのかはわからないが、同じ世界の別作品という位置づけらしい。

OLの片瀬詩織里は篠崎拓馬という後輩ができたのが嬉しくて、張り切って指導をする。背が小さく、美形で巨乳。色っぽい体つきとは裏腹に、天然で、素直で、恥ずかしがり屋である。篠崎も内気で奥手なため、お互いに好意を持っているのに、二人の仲は全然進まず、中学生のようにキャッキャッしている。

そんな二人を生暖かく見守る主任の秋那千尋と、彼に好意を持つ篠崎の同期生の早川千夏、この4人で話が進んでいく。基本は一話4ページのショートコメディ。

大人の男女が会えば必ずセックスするわけではないし、他愛のない話で盛り上がっている健全カップルの恋バナは、それはそれで嫌いではない。ただ、主人公の造詣がこれというのは、アイキャッチ&ギャップ萌えを狙ってのことかと想像するが、少々あざとい。

こんなに可愛ければ、これまで告白されたこともあっただろう。性的興味の対象にされたこともあっただろう。そういう経験があれば、その分野のこともそれなりにわかってくるはず。ここまで「何も知りません」風な態度は解せない。

一方、主任と早川が実にいい味を出している。正直、この二人の話(だけ)がもっと読みたいくらい。ただ、この二人はまだ付き合っているわけではなく、あくまで篠崎を介しての縁だから、二人だけの話にはならないのだが。

当初、全1巻と思い込んで購入したが、現時点で4巻まで刊行されており、しかもまだ完結はしていないようだ。続けて買うかどうかは思案中。

片瀬は猫耳でしっぽがあるが、本当にあるのではなく、可愛さを強調したイメージ表現のようだ。



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