鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ワシズ -天下創世闘牌録-」(全4巻)

  • 原恵一郎「ワシズ -天下創世闘牌録-」1, 2, 3, 4(フクモトプロ)

ワシズ 天下創世闘牌録 1

ワシズ 天下創世闘牌録 1

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ワシズ 天下創世闘牌録 2

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ワシズ 天下創世闘牌録 3

ワシズ 天下創世闘牌録 3

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ワシズ 天下創世闘牌録 4

ワシズ 天下創世闘牌録 4

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近代麻雀オリジナル」(竹書房)2012年12月号~2013年12月号および「近代漫画」2014年6月号~11月号掲載。「ワシズ -閻魔の闘牌-」の続編。

コンサルティング会社「共生」は順調に顧客を増やし、利益を上げていく。が、政財界の重鎮に向かって鷲巣が「今後の日本はわしが束ねる」と宣言したことから元老院の怒りを買い、「共生」を乗っ取られる。以後、裸一貫からやり直し、元老院に挑む……

鷲巣 vs 元老院の対立図はさほど面白いものではなかった。吉田茂白洲次郎角栄など実在の人物も登場するが、彼らはこんなことはしないだろうとしか思えず、その点もうまくいったとは言えない。ただし、ストーリーの展開自体は相変わらず荒唐無稽だが迫力があって引き込まれる。

第三巻の「地下室の呪い」は圧巻。これまで何人も自殺(?)した共生社員の謎、金庫室に閉じ込められた鷲巣とハヤブサがいかに脱出するか、ミステリーとしても面白く読めるが、鷲巣の頭脳、胆力はうならされたし、ハヤブサを救うために命懸けになる姿勢にも打たれるものがあった。もはやハヤブサは、鷲巣のためなら自分の命だって捧げようと思うだろう。

第四巻は元老院との最終決戦。正直、この相手が元老院のラスボスとは信じがたい(よくぞみな、こんな人間のいうことに従っていたものだ)。とはいえ、後半のロシアンルーレットは迫力があった。

前作と合わせて全12巻で描かれたワシズは魅力的で、とても自分の気持ちを満足させるため(だけ)に若者を次々に殺していく人と同一人物とは思えないが、まあ、ここからカイジに会うまでの何年かの間にいろいろあったのだろう。



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