鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「DINER ダイナー」1

2018年1月19日刊。

オオバカナコはお小遣い目当てに裏バイトに手を出し、ヤクザから殺されかける。殺し屋専門の定食屋(ダイナー)で働くことを条件に命は助かるが、そこで働く限りいつ死んでもおかしくない殺伐とした店だった……

そういえばしばらく前にさかんに宣伝していた時期があった。その時は原作の小説を買ってみようかと思ったけど、結局スルーしたままだった。

1巻は「食前酒」「無垢の祈りと銀の弾丸」所収だが、後者はまだ終わっておらず2巻に続いている。ちょっと厭な引き方だ。

カナコは、雇い主であるボンペロの怒りに触れて(あるいは無能扱いされて)殺されるかも知れず、また客の揉め事に巻き込まれて殺されるかも知れず、毎日生き延びられるだけで感謝しなければいけない境遇のはずだが、それにも関わらず自ら揉め事に飛び込んでしまう。「食前酒」では連れ込まれた素人女性がいたぶられているのに我慢できず、「無垢の祈りと銀の弾丸」では殺し屋同士の抗争とはいえ、巻き込まれたポロンの娘をかばおうとして。

それにしても、口頭で注意するのも命知らずだが、こうしたやから者相手に賭け事で勝とうなどというのはいったい何の勝算があってのことか。「愚の骨頂」という言葉では言い表せない。ただボンペロは、口ではともかくカナコのこうした行為を必ずしも嫌がってはいないようである……



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