鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「あの娘を落とす間取り」

2017年8月13日刊(同人誌として)。2020年12月11日kindle版刊。表紙を含めて72ページのそれほど薄くはない本。

若い頃、女性向けに「意中の人を落とす料理はコレ」みたいな企画が腐るほどあって、そもそも自分の手料理を食べてもらえるシチュエーションになっている時点で「落ちてる」のでは? と思ったものだが、本書も、冒頭で作者自身が「部屋に連れ込めた時点で勝ちゲーなのでは?」と呟いている。

それはその通りではあるのだが、本書を読むと、もっと奥が深いことを感じる。一番初めのエピソードは、男子の家にやってきた女子は、確かに憎からず思っていたのだろうがヤルつもりだったわけではないハズだ。

ま、「ヤル」とか「落とす」とかのキャッチーな言い方はともかく、二人で気持ちよく過ごすための工夫というのはある。言われてみればどれも「なるほど」と思うものばかりで興味深い。

最後のマルサの女が個人的にはタイプだが、この女性とだけヤッていないのが残念だ。

同じタイトルの商業版もあるのだが、どう違うのかがわからない。巻末に「こちらは「あの娘を落とす間取り」のコンパクト装丁版になります。内容に変更はありません」とあるのだが、これがどれを指しているのかが不明。「こちら」が同人版で「あの娘を落とす間取り」が商業版だろうか。しかし72ページ、おまけの「くだけん」を除けば53ページ。たったこれだけのページ数で商業単行本が出るとは思えない。その上1000円以上の価格がついている。これ以外にもいろいろ載っているならば、読んでみたいと思うのだが。


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