鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「羽生善治の将棋入門」

2017年5月24日刊。

しばらく前から将棋のオンラインゲームを始め、無手勝流ではなくやはりちゃんと定石を知った方が……と思い、入門書を読んでみることにした。ちょっと検索したら、羽生善治が膨大な本を書いていて驚いた。多過ぎて、初心者はどれを読めばいいのかわからない。「ビギナー」とか「駒の動かし方」などと書かれていたから、とりあえず読んでみた。

カラーのイラストが随所に差し込まれ、見やすい。昔の本とは大いに違う点だ。

また、大局を始める前の駒の並べ方に流儀がある話などは面白かった。

ただ、それぞれの駒の動きの説明のあと、いきなり玉をめぐる攻防の話になってしまい、飛躍しているなあと思った。

一通り駒の動かし方やルールがわかったら、では対局を始めましょうとなる。そうしたら、最初の一手は何を指すべきか。その次は。まずはそこから説明がほしい。序盤は攻めるか守るか。典型的な攻防の定石の解説が必要だろう。

居飛車振り飛車の言葉は出て来るが、どのタイミングで振るのか、振ったあとはどう攻めるのか、何も説明はない。

穴熊囲い・金矢倉・銀矢倉・美濃囲いなども紹介されるが、どのように駒を進めてこの形を作ればいいのか、何も説明はない。

中盤では、有利に運ぶために、そして相手の玉を狙えるようにするために、何を考えて進めればいいのか。

私のような素人は、盤面を眺めて、さて何をどうすればいいのか、困ってしまうことがたびたびある。やることがないから歩を突いたりしてお茶を濁す。これでは無駄に手数を消費しているだけである。これを改善したいのだが、その場合は別の本を読めということか。

終盤の「寄り」に関しては割と詳しい記述があるので、同程度に序盤と中盤も説明があればと思った次第。

もっとも、Part 11には実際の対局の棋譜がひとつだけ載っていて、先手は居飛車+金矢倉、後手は振り飛車+美濃囲いなので、実際に駒を動かしながら研究すれば、得るものはあろう。



漫画・コミックランキング