鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「パズルゲーム」の新作

  • 野間美由紀「パズルゲーム★はいすくーるX(キッス)」2(秋田書店
  • 野間美由紀「パズルゲーム☆トレジャー」2(白泉社

昨年10月~11月に連続刊行。依然としてパズルゲームは好調である。ストーリーのレベルも安定しているし、ファンには安心して読める。登場人物が固定化しており、新鮮さに欠けるきらいはあるが、「偉大なるマンネリ」パターンなのだから、むしろそれがいいのだろう。

しかし、バストショットが多過ぎる。前からそうだったっけ? ほとんどのコマがそうなので、人物の顔がどのページの誰も同じ大きさに描かれている、顔(それも大部分が正面で、たまに斜め)ばかりが描かれて下半身はもちろん、手も描かれないため、今、どういう姿勢でいるかわからないし、人物同士の位置関係も不明、結果、絵に変化が乏しく単調であること、動きが全くないため、ストーリーは主にセリフで語ることになって、説明調のセリフが多く、物語としての情感に欠けること……

アップにしたりロングにしたり、全身を描いてみたり後ろ姿を描いてみたり俯瞰するような構図で描いてみたり……と、普通はいろいろ工夫を凝らして変化をつけるものだが。作者が気付かないうちに単調になってしまっているのか、アシスタントを使ったりなんだりのシステム上、ある程度どうしようもないのか、事情はわからないけど、長く付き合っているといろんなものを見てしまうなあ。

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(別ブログより転載/original : 2010-02-21)