鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

相変わらずのもげろっぷり「中国嫁日記」

僕が非常に不満に思っていることに、というより不思議でたまらないのだが、ブログが人気が出て書籍化される、いわゆる「ブログ本」は数多いが、知る限りにおいて、電子書籍化されたものは少ない。スマートホンなりタブレットなり、あるいはPCなりでネットにアクセスして読むのが一般的なスタイルの中で育ってきた作品が、出版社というヒモがつくと、いきなり紙媒体に移行してしまう理由はなんだろう。

ネットに全くアクセスできない、したくない人も、できなくはないけど面倒だと思う人も、まだまだたくさんいて、もしかしたらまだそういう人の方が多いかも知れないから、紙で作った本を書店にバラ巻く方が宣伝効果が高いことはわかる。Kindleだとサイン会も開けないし。それに、取次ぎとの関係もあって、多くの出版社は電子書籍に力を入れにくい実情もあるのだろう。

しかし出版社の事情はどうあれ、作者やファンがそれを認め、追随しているのは納得がいかない。なぜ電子書籍を出せと声高に言わないのだろう。ほしくないのだろうか。紙媒体の方が偉いという思い込みでもあるのだろうか。

本書は3巻までは紙で買っていたが、昨年後半から、少なくとも漫画に関しては、今後はKindleで出ていないものは買わないことにしよう、と思うようになった。本書は電子版がないから、もう買うことはないだろう、と思っていた。

ところが、今回から紙媒体とほぼ同時に電子書籍も発売された。それだけでなく、過去の1〜3巻もKindle版が発売されることになった。

当たり前のことなんだけど、当たり前だと思うけど、現実には当たり前ではないので、そのことを讃えておく。中国嫁日記、偉い。

内容についていえば、月が中国に住んでいてジンサンが日本にいて、月が日本にやってきたりジンサンが中国へ行ったりする話で、異文化交流と相変わらずの二人のアツアツぶりを描いたもの。

このように二ヶ国で暮らしているのはビジネスのためだが、このビジネスが破綻したことを現在のわれわれは知っているわけで、そう思いながら読んでいるとなかなか感慨深いものがある。
(2015/2/18 記)

中国嫁日記(四)

中国嫁日記(四)